女性だけが持てる国際的なクレジットカードブログ：20190602
わたしが幼い頃、
祖母は、わたしの家から少し離れた所に
一人で暮らしていました。
わたしがたまの日曜日に遊びに行くと喜んで、
わたしの大好きなオカラを
冷蔵庫から出して食べさせてくれました。
祖母が作るオカラは、
ごま油が香ばしく、
挽き肉、人参、キノコや油揚げがふんだんに入っています。
大きいタッパーにビッシリ入っているので、
こんなに食べられないと思っても、
不思議なことにどんどん箸が進みます。
母がオカラを作っても、
どうしても祖母の味にはかないません。
祖母にどうしてこんなに美味しく作れるのか、
わたしは一度聞いてみたところ、
「あんたが美味しそうに食べる顔を想像しながら、
ゆっくりゆっくり作るだけだよ」と、
祖母は優しく語ってくれました。
それでも幼かったわたしは、
この美味しさには、
何か特別の秘密が隠されているに違いないと思ったものです。
わたしの出身地・山形では、
大晦日に「納豆汁」というものを食べます。
ゼンマイやキノコ、油揚げ、豆腐、
ズイキイモの茎を天日で乾燥させた「カラトリ」など、
沢山の具が入ったお味噌汁に、すり潰した納豆を入れるのです。
納豆汁には、1年が終わる切なさと、
1年の疲れが一気に吹き飛ぶような温かさとが籠っています。
ある年の我が家の納豆汁は、例年になく美味しいものでした。
具にしっかり味噌と納豆の味が染み込み、
それでいて優しい味にしみじみとなりました。
「これ、今まで食べた中で一番美味しいね！」と
わたしが母を絶賛すると、母は不機嫌になりました。
実はその年に限って、
母は祖母が作ったものを貰ってきていたのです。
わたしはフォローの仕様がなく、
少しバツの悪い大晦日になってしまったのも、
今となっては良い思い出です。
さあご飯食べよ〜っと。